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整形外科疾患の治療に関わるすべての理学療法士に学んでほしい「治療の設計図」とは?

2019-03-11

膝が痛い、腰が痛い、肩が痛くて眠れない、というような主訴を持って受診される患者様への治療において、再現性が高く、確実に治療が前進するような設計図はあるでしょうか? 
 
 
建築であれば、どのような小さな建物でも設計図なしに作ることはありません。しかし、セラピストの治療では、関節疾患を治していくための設計図のないまま、「個別性」という言葉を隠れ蓑に、実は行き当たりばったりの不確実な治療を繰り返す場面をよくみかけます。これでは、選ばれるセラピストになることはできません。
  
 
セラピストのための簡単なチェックリストを作ってみました。すべてにチェックが入らなければ、意味のある設計図はないと断言できます。
□ 評価が終わった時点で、患部周辺に加わるメカニカルストレスとその原因を特定できる。
□ 評価が終わって時点で、疼痛とメカニカルストレスの因果関係、そしてメカニカルストレスとは無関係な疼痛を把握できる。
□ メカニカルストレスの原因因子に対する最も効率的な治療技術が準備されている。
□ 関節のマルアライメントが修正されたときに、どのような症状の変化が得られるのかを明確に予測できる。
□ セラピストが主体となって行う治療内容が予め計画されている。
□ 患者が主体となり負荷をかけた運動療法を開始するタイミングが予め計画されている。
□ 上記が全身の全ての関節疾患に応用可能なものとなっている。
 
 
これらにチェックが入らないとすると、関節疾患が治っていく過程を踏まえた治療の設計図が明確ではない可能性が高いと思われます。あなたが患者になったとして、明確な治療手順が準備されていない人の治療を受けたいと思うでしょうか? 私なら、完治までのプロセスを明確に説明できる人のところに行きます。(注:プロセスの説明ができても、技術が足りなければそのプロセスは実行できません。技術の問題は別の機会に譲ります。)
 
 
リハビリテーション部門のリーダーの方は、後輩たちの治療能力を高めるために日々苦労されていることと思います。その苦労の一つは、治療の方向性の共有ではないでしょうか? 同じ方向に治療を行っていれば、後輩たちへの指導は技術指導に集中できることになります。しかし、方向性と技術の両方が曖昧な状態だと、何を指導してよいかわからないということになりかねません。
 
  
治療の設計図は、新人セラピストはもちろんのこと、5年目、10年目のセラピストでも容易に作り上げられるものではありません。数百例、数千例の治療経験から共通項を拾い出し、法則化していく積み重ねが必要です。さらに、その設計図を基に治療を行っている後輩たちの治療結果から、多くの修正を加えて行かなければなりません。そのようにして作り上げられた設計図は、少々の個別性を持った病態に対しても十分に対応できる頑健(Robust)なものに進化したものになっています。つまり、設計図は個々のセラピストが作り上げるものではなく、優れた設計図を見つけ、それを学び、それを実行することから開始すべきだと断言できます。
 
  
リアライン・コンセプトとは関節疾患の治療に必要な設計図です。リアライン(アライメント修正と他動運動の正常化)を治療の主役に位置づけることにより、その後の自動運動、抵抗運動、荷重運動を含む運動療法を無駄なく、円滑に進めることができるようになります。また、運動療法によって症状が悪化して運動療法を中断もしくは制限するようなトラブルを回避する上でも重要な役割を果たしています。これを学んだ方は、口を揃えて治療がシンプルになったと表現します。つまり、練り上げられて応用範囲の広い設計図は、複雑なものではなく、誰にでも適用できるようにシンプルに練り上げられていることを意味します。
 
 
さらに重要なことは、設計図が決まると、その設計図通りに治療を進めるための治療技術を絞り込むことができます。つまり、様々な治療テクニックを行き当たりばったりで学ぶのではなく、設計図を基に、どうしても必要をテクニックに絞り込んで学んでいくことができます。これは無駄な時間とお金を節約することになるだけでなく、使用目的が予め明確になったテクニックを集中的に学ぶことができるようになることを意味しています。当然、技術習得が早く、設計図の完成度が加速度的に高まっていきます。また、同時に、設計図を進める上で無意味な技術を予め見極めることにも繋がります。
 
 
技術習得には時間がかかるものです。私が行っている組織間リリースは、現在のレベルになるまで20年を要しました。今では、その20年のプロセスを集約して、1年間で治療上有効なレベルにまでスピード感を持って習得してもらえるようになってきました。これも設計図が確立し、その技術の使用目的が明確になっているからに他なりません。
 
 
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CSPTについて
  
  
CSPT はクリニカルスポーツ理学療法の略で、設計図としてのリアライン・コンセプトをしっかりと学びたい方、習得したい方のために作られたセミナーです。これまでのべ8000名以上のセラピストが受講されました。クリニカルスポーツ理学療法というタイトルですが、全身の関節疾患の治療を含むもので、スポーツに関係のない関節疾患にも応用できます。また最近では、産前・産後のケアにも役立てていただけるよう、病態の幅を広げて治療を紹介しています。
 
 
CSPTは10回シリーズで、
 第1回:総論(設計図)と組織間リリースの基礎技術
 第2-4回: 体幹
 第5-8回: 下肢
 第9-10回: 上肢
となっています。過去の受講者の80%以上は10回シリーズを受講されています。このように全身の関節の治療法の基礎を1年間で習得できるコースは他にはありません。整形外科診療を行う医療機関として、スタッフ全員でこのCSPTを受講し、共通の設計図を持って日々の診療にあたられてはいかがでしょうか? 
  
 
2019年度のCSPT は東京会場のみとなっており、残席が少なくなっております。ご興味のある方はお早めにご登録ください。5名以上で参加される場合は、お得な紹介制度もありますので、一度お問い合わせください(seminar@realine.info)。
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