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挫滅マッサージによるダンサーの坐骨神経障害

2019-07-21

ダンスやバレエなど柔軟性が求められる種目において、挫滅マッサージが日常的に行われています。以前、中学生のバレリーナで、鼡径部への広範囲の挫滅マッサージの治療に難絨した例を紹介しました。
 
今回は高校生のころから数年間、殿部からハムストリングス、下腿にかけてフォームローラーを使った挫滅マッサージを行ってきた例です。SLRの可動域は高校生のころは150°以上、大学を卒業する頃には90°以下になったようです。私が初めて診たときは左右ともに80°程度で、痛みでストレッチすらできない状況にありました。
  
両側で3時間ほどかけて梨状筋レベルから足関節まで坐骨神経、脛骨神経、総腓骨神経をたどってリリースした結果、左120°、右130°ほどにまで回復しました。しかし、まだ坐骨神経領域の痛みがすっきりとは取れません。
 
肉離れや単純な梨状筋症候群、外傷由来であれば、問題の部位を見つけさえすれば数分で治療がおわります。しかし、挫滅マッサージの影響は広範囲に及ぶので、坐骨神経およびその枝を含めて隅々まで触診し、リリースしなければならなくなります。さらに、痛みが出てからの期間が数年間にも及ぶので、二次的に癒着した部位の治療も必要になります。
 
今回の例では、梨状筋レベル、内閉鎖筋レベル、大腿後面全体(大腿二頭筋、半膜様筋、大内転筋との癒着)、膝窩筋上の滑液包を絡めて癒着、ヒラメ筋上端部で脛骨神経がヒラメ筋の深層に入り込む入口部分、ヒラメ筋深層を足関節までたどる必要がありました。しかし、まだSLR時の坐骨神経痛は残っているので、まだどこかに取り残しがあるのだと思われます。   
   
ストレッチ以上の効果を期待して挫滅マッサージに取り組むのだと思いますが、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後など可動域の改善がえられなければ「無意味」であることに気づかなければなりません。そこに坐骨神経症状が加われは「有害」であることにも気づかなければなりません。若い真面目なダンサーにこのような判断を求めるのは難しいでしょうから、我々が多くのメッセージを発信しなければと思っています。
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