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産後の恥骨部痛と運動機能障害

2019-07-21

出産直後から恥骨結合付近の痛みと腹部の脱力により立ち上がることもままならず,つかまり立ちでようやく立ち上がれるような状態。産後2ヶ月の時点で縄跳びレベルのジャンプもできない状態でした。原因として,恥骨結合の上下の偏位を含む骨盤マルアライメントと産後の腹筋群の機能不全の2つに集約されました。

立位において左寛骨が前傾・内旋しており,それを徒手的に修正することで後屈時の痛みが軽減されました。これに対して,
①縫工筋・伏在神経をリリースして下内方への張力を減らし,
②鼠径靱帯とその周囲の血管神経・腸腰筋を内側にリリースして寛骨内旋方向への軟部組織の張力を軽減し,
仙腸関節の骨性のEndfeelを回復させたところ,ASLRの下肢の重さが大幅に軽減。

次に腹筋群の機能不全に対して,腹直筋幅13cmに拡大し,25mmの腹直筋離開があり,さらに腹横筋浅層の癒着が散在していました。これに対して,腹直筋深層をリリースして腹直筋幅を8cmにしたところ離開幅が10m程度の改善。背臥位から頭部を挙上するクランチにおける離開幅も10mmのままでした。

一方,口すぼめ呼吸による腹横筋収縮により離開幅は15mmに増大。腹横筋は離開を改善すると考えられていますが,腹横筋の筋腹は白線を両側に広げる作用を持つため,離開幅を拡大させます。横筋と内腹斜筋や膀胱・腸間膜との癒着をリリースしてその機能を改善すると離開幅10mmのままで腹横筋の随意的なコントロールが改善しました。

癒着の治療の前後で,離開幅が変化することについてのメカニズムは十分に理解できていませんが,内腹斜筋なども含めた緊張伝達は腹筋群の機能低下を持続させる原因となりそうです。

上記の結果,立ち上がりや股関節開排時の恥骨部痛は消失し,軽い連続ジャンプもできるようになりました。
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現時点で私が行うケアの対象をセラピストや医療関係者に限定していますが,今後は全国で産前・産後の不調に悩んでおられる方に向けたサービスを作ることにも注力したいと思っています。少子高齢化対策として,また女性活躍社会の実現,労働生産性の改善といった国策や企業活動への効果,さらに産後は一生続くことを考えるとこの分野のマーケットが数千万人であることも注目に値すると思います。


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