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精密触診「教育」の提案

2019-12-28

 精密触診という言葉をご存知ですか? これは既存の触診教育を大きく進化させるため,皮神経一本まで精密に触診し,痛みの原因をmm単位で特定するための技術です。分野を問わずすべての医師やコメディカルに必要な技術と位置づけて,普及に取り組んでいます。
  
 
 理学療法士を始めとする各種コメディカルの養成校や医療機関での院内教育に導入されつつあり,将来的には患者に触れる前に習得すべき必須の技術と位置づける必要があると考えています。
     
  
■症例
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・背景 
 変形性股関節症(OA)の診断で,人工股関節(THA)を予定されているの治療を例に説明しましょう。とてもアクティブな60歳台の女性で,股関節痛発症から5-6年,OAの診断から1年ほどの経過して,THAを医師から進められたそうです。この間,ロキソニン,リリカ,トラムセットなどを服用されてきました。ご自身や担当医を含めて誰もがOAによる慢性痛だと思っていました。
  
・精密触診 
 精密触診を行ったところ,痛みは股関節伸展に鼡径部(大腿直筋,上殿神経,大腿神経(およびその枝),大腿動脈,陰部大腿神経,腸骨筋,腸骨関節包筋)と開排時に内転筋群(特に長内転筋,短内転筋,閉鎖神経)に痛みがありました。大腿骨頭の触診では痛みがなく,関節唇にも圧痛がない状態でした。
   
・治療結果
 これにより,OAの痛みではなく,周囲の軟部組織の痛みであることがはっきりしたため,疼痛除去を目的に組織間リリースを実施しました。その結果,安静時痛や荷重時痛,深屈曲時痛が消失し,快適な生活が戻ってきたとのことです。 
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 このような症例を経験すると,画像診断によるOAの進行とは別に,周囲の軟部組織の疼痛が本人を苦しめていることがわかります。精密触診は,画像からの先入観にとらわれず,正確に病態を把握するために不可欠なのです。
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