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信頼できるエビデンスの重要性

2021-04-28

信頼できるエビデンス選別の重要性

セラピストの皆さんは、普段どのように新しい知識や技術を取り入れていますか?

論文を読む、セミナーに参加する、先輩に指導してもらう・・など様々な方法で毎日、自分の知識・技術を研鑽していることかと思います。
しかし、一所懸命勉強したその知識はどの程度信頼できるものか考えたことはあるでしょうか。
今や、情報社会となり様々な情報が簡単に手に入る時代となりました。その代償として、真実ではないことがあたかも真実かのごとく情報として入ってきてしまいます。
医療従事者は患者さんの未来をより良くする為の職業であるため、間違った情報を持っているのは大変危険だと言えます。

今回は信頼できるエビデンスを選別することの重要性というテーマで、皆さんに伝えたいことを書きまとめたいと思います。


■ そもそもエビデンスって何?
「エビデンス」 この言葉を使わないにしても、耳にしたことのあるセラピストがほとんどかと思います。
(聞いたことがない・・・という方は、学生時代に学んだのを忘れてしまっているだけでしょう。)
しかし、医療におけるエビデンスとは何か説明せよ、と言われると言葉に詰まってしまう方は多いかと思います。

エビデンスとは「根拠」や「証拠」と直訳されます。
私たちが使うEBM(evidence based medicine:根拠に基づいた医療)におけるエビデンスの意味は、「信頼性の高い臨床研究による実証結果」といった意味になります。
科学的根拠(エビデンス)を重視した上で,患者に最も適した医療を行うとする考え方です.

エビデンスにはエビデンスレベルがそれぞれつけられています。
ピラミッドの上部に行くほどエビデンスレベルは高くなります。つまり、信頼性の高い情報ということになります。
もちろん、NBM(Narrative Based Medicine:物語りと対話に基づく医療)という概念もありますが、EBMに基づくNBMであるべきと考えています。



■ エビデンスの序列を理解しましょう
研究デザインによってエビデンスレベルは左右されます。
研究デザインは大きく観察的研究と介入研究(臨床試験)に分けることが可能です1)。観察的研究は、コホート研究・横断研究・ケースコントロール研究の3つに分けられます。

観察的研究で最もよく用いられる研究デザインは、コホート研究と横断研究です。
「コホート研究」は、ある対象者のグループ(コホート)が追跡調査されるのに対し、「横断研究」では、ある一時点で観察が行われます。
コホート研究には2つのタイプがあります。1つは、観察をこれから開始し、未来に向かって観察を行う研究(前向き研究)で、もう1つは、過去のある期間に集められたデータを用いる研究(後ろ向き研究)です。
「ケースコントロール研究」は,ある疾患もしくはある状態を有する人々(ケース)の群とそれを有しない人々(コントロール)の群が比較されます。

介入研究である「ランダム化比較試験(randomized controlled trial : RCT)」は、ランダムに割り付けられた2群間の比較を行う方法で、最も優れた研究デザインとされます。
システマティックレビューはあらかじめ設定された基準によって批判的に吟味された上で選択された原著のエビデンスから構成されています。
その中で最も一般的に用いられる研究は、よく管理された介入研究であるRCTと言われています2)。

「動物実験」は人を単体として捉えていない観点から、序列の中でも低い順位にづけされ、生理学的研究と呼ばれています。「症例報告」は患者(利用者・被検者)に何が起こったかを単純に記述するものです。ナラティブレビュー(文献レビュー)は、先行研究をまとめることを指します1)。症例報告やナラティブレビューの内容は,さらなる厳密な研究を行うための出発点としての意味合いが強いことを理解しておく必要があります。

参考文献
1)医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ第4版 メディカル・サイエンス・インターナショナル
2)理学療法エビデンス大辞典 現場で使える実践ガイド 西村書店


■ 情報を見極める力をつける
前述のように研究デザインはいくつかの種類に分かれています。その為、研究デザインの選択は研究の目的に応じて行う必要があり、研究デザインだけを見て、研究そのものに優劣をつけてしまっては有益な情報を見逃す可能性もあります。また、エビデンスレベルだけをみて、鵜呑みにしてしまっても危険な場合があります。実際の臨床現場でのなど自身の中でも理論づけた上で応用することが大切と言えます。

その為、エビデンスレベルと同時に、今後の研究の課題というものも知っておく必要があり、その課題と現在真実として考えられていることを照らし合わせた上で、本当に真実であることを自分の物にする、という作業が必要です。そのために最も適した方法がナラティブレビュー(文献レビュー)になります。

この記事を読んで、なるほどと感じた方、難しいと思った方、全くやり方が分からないと思った方、いろんな感想があるかと思います。
しかし、エビデンスの重要性はなんとなくでもご理解頂き、興味を持たれたのであれば、是非一緒に勉強をしませんか。


■ エビデンスに基づいたセミナー
毎年3月に開催されるジョイントヘルスカンファレンス。
新型コロナウイルスの影響で延期しておりましたが
2021年5月8日-9日(土日)にオンラインにて開催が決定しました。
今回のテーマは「アスリートの変形性関節症と競技復帰」です。

以下のような症例に遭遇したことはないでしょうか? 
●30歳、男性、ラグビー選手。既往歴にACL損傷再建術、半月板部分切除。
復帰後5年経過して、最近腫れが続くためMRIを撮像したところ、軟骨損傷、骨棘、骨髄浮腫が認められ、腫れが落ち着くまで練習を離脱することとなった。

復帰に向けたリハビリテーションを進めても、腫れや稔髪音、そして慢性的な痛みが解消されず、
最終的に復帰を断念する例も少なからず経験されることと思います。

今回は、膝・股関節における経験豊富な医師や理学療法士による講演に加えて、合計18演題もの文献レビューの発表があります。


文献レビューの発表では、
「十分なエビデンスがあり,真実として国際的にも承認されていること」
「エビデンスは十分とは言えないが今後の重要な研究テーマとなること」
「真実と思われていたが,実は疑わしいこと」
など、整形外科診療に従事するセラピストとしては知っておくべき情報が多く得られます。
この機会に、是非皆さんの知識を最新版にアップデートしてみませんか。

多くの皆さんと最新の知見を共有できることを
楽しみにしております!


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■参加費 一般2日間 ¥20,000- ⇒ ¥10,000-
    一般1日 ¥12,000- ⇒ ¥6,000-
※日本健康予防医学会会員の方につきましては、さらに割引価格での受講が可能です。
     
■参加登録:https://210508jhc.peatix.com/
 ※日本健康予防医学会会員の方につきましては、別途お申込みフォームがございますので
  参加希望の旨をお手数ではございますが
  seminar@realine.info
  までご一報ください☺
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