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足首のねんざと後遺症の問題

2018-07-17

女子バスケットボールに限ったことではないが、捻挫後の”背屈制限”だけでも解決できれば多くの選手が後遺症に泣かされずにすみます。「捻挫後に背屈可動域制限を解消するまで練習には戻れない」というルールを作れるものなら作りたいくらいに重大な問題と考えるべきだと考えています。
   
 
この話はとても奥が深いのですが、まずはスポーツ現場の皆さんに「これはまずい」と感じてもらうことが重要だと思っています。選手や指導者の方々にも読んでもらいたいので、少し丁寧に、易しい言葉で書きたいと思います。
  
  
ねんざをすると足首が腫れたり、痛みによって筋力が低下したりします。痛いので足首の可動域を制限しながら生活し、場合によっては治る前にテーピングを巻いて無理に復帰したりします。その結果、どういうことになるのかを説明したいと思います。
 
 
1.足首の捻挫をすると、一旦可動域を失います。特につま先を膝に近づける方向(背屈)を失いやすく、またこれはスクワットやしゃがみ込む際の足首の柔軟性を失うことにもなります。
 
2.足首の外側と内側を比べると、外側のほうが背屈方向の可動域の回復が起こりやすく、内側は回復しにくいという特徴があります。このため、徐々に可動域が広がっても、それは外側だけの可動域改善が得られており、内側はほとんど変化がないことがしばしばです。

3.外側のみ背屈可動域が回復すると、すねに対してつま先が外に捻じれます。つまり、内側は背屈せず、外側のみが背屈するようないびつな運動が癖になってしまいます。その結果、下の動画のようにつま先を内側にひねるようにすると、ガクッとねんざのような不安定な状態が再現されるようになります。これはストップのときにつま先を内に向けるような場面で起こるねんざと同じ現象と思われます。

4.内側の可動域制限は、内くるぶしの後方にある3本の腱とアキレス腱の癒着によって起こります。これらの癒着は一回起こると、運動などで自然に剥がれることはまずありません。一度起こった癒着は、高度な治療技術でしか剥がせないのです。

5.つま先が外向きにねじれるといろいろと問題が起こります。主な問題として、「足首の前が詰まる」、「内側アーチがつぶれて扁平足になる」、「着地などで足首で衝撃吸収ができなくなる」、「かばって歩くうちに膝がねじれる」、「ねじれた結果膝に痛みが出やすくなる」、「膝がねじれると足の裏の外側に体重が乗りやすくなり、更にねんざしやすくなる」、などなど。

6.足首の前の詰まりは骨の衝突によって起こるため、この状態で何年かプレーしているうちに「骨に棘ができる」、「足首の前の骨に疲労骨折や骨挫傷が起こる」、「その結果数ヶ月間の練習離脱になる」、「さらにその原因である内くるぶしの癒着が解消されなければ再発を繰り返す」といったことになります。これはまさに選手寿命に関わります。
 
 
上記の問題は解決可能ですが、簡単ではありません。コーチ、トレーナー、選手、医療関係者が一体となって、捻挫後遺症を防ぐように努力しなければなりません。その具体策については、また別の機会に書きたいと思います。

※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
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