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論文抄読の目的は翻訳?

2019-01-21

大学院生や学部生に論文抄読を課すことにより、研究デザインや内容の理解を深め、世界で行われている研究の動向を理解できるようになって貰う必要があります。「翻訳」することはなく、「行間も含めて論文に書かれたサイエンスの文脈を理解できるようになる」ことを目的としています。
 
 
行間を読むことは文学だけでなく、科学論文でも重要です。そのためには著者のバックグランドや研究室の歴史などもある程度理解しながら読み進めなければなりません。それにより、科学的な議論の流れにおいて、研究室としての主張を含めて理解しながら論文を読み、結果から結論までの流れの強引さや不自然さも読み取ることができるようになります。
 
 
一方、Google翻訳など、医学論文もそれなりに翻訳してくれるシステムが使われるようになってきました。私の研究室では、翻訳プログラムの使用を全面的に禁止していますが、ときどきこのような不自然な訳語を使って発表する不届き者が現れます。生理学を少し勉強すれば、筋活動、筋活動量といった生理学用語があることを知っていると思いますが、翻訳プログラムは「活性化」と訳します。統計用語のsignificant は、時として「重大な」と訳されてしまいます。
  
  
話を戻すと、学生に抄読会で発表させる目的は「翻訳して発表できるようになること」ではなく、「論文に書かれたサイエンスを理解できるようになること」にあります。翻訳プログラムの使用は論文を理解する能力を一歩も前進させません。そのような学生は出入り禁止です。

※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
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