MENU

肩関節の可動域と組織間リリース

2018-12-26

オーバーヘッドアスリートの肩関節の可動域が制限されているとき、手間はかかりますが骨盤からととえていく必要があると考えています。骨盤マルアライメントやforce closureの不良は大殿筋から同側の胸腰筋膜に緊張伝達が起こっていることがあり、そのままだと荷重により広背筋の緊張を引き起こしてしまいます。このため、正常な荷重伝達とforce closureを回復させて、大殿筋の緊張が対側の胸腰筋膜に伝達される状態を確保しておくことが望ましいと考えられます。
 
 
次に、胸郭と骨盤との間の可動性を低下させる原因となるのが広背筋と腹壁(内腹斜筋)との癒着です。これにより胸郭は腸骨稜に引き寄せられ、胸郭と骨盤間だけでなく、胸郭内の可動性を著しく低下させている場合があります。
 
 
その次に、腹筋群の癒着。特に内腹斜筋と腹横筋間の癒着により、中位・下位胸郭の拡張性が制限され、後屈や回旋に大きな影響を及ぼします。もちろん外腹斜筋と肋骨弓との癒着、腹直筋と内腹斜筋との癒着なども治療対象とします。
 
  
拡張性が得られても胸郭の自由度を制限する要素とs知恵、側面における前鋸筋と広背筋、前鋸筋と長胸神経音癒着が挙げられます。これらは胸郭内運動を制限し、さらに肩甲帯や肩甲上腕関節の動きにも直接的な悪影響を及ぼします。
  
 
肩甲骨外側では、側臥位での睡眠習慣によって、広背筋と前鋸筋や大内転筋が癒着を起こしやすく、上方回旋を外側でブロックする役割を果たしています。これらの筋間を割創させ、広背筋を胸郭から離開させずに上方回旋を行える環境を整えます。場合によっては、胸背神経が広背筋と前鋸筋の滑走性を低下させていることもあります。
 
 
次に、肩甲骨内上角では、僧帽筋、肩甲挙筋、棘上筋にまたがる滑液包の存在、そして肩甲挙筋と後斜角筋や第1、第2肋骨およびその間に介在する内上角滑液包の癒着で、上方回旋に伴う内上角の下方への移動が制限されています。一方、肩甲骨内側では菱形筋と肩甲背神経の癒着により肩甲骨内転・下方回旋の機能が低下しやすく、上方回旋開始時のsetting phaseを失わせてしまいます。
 
  
前面では、大胸筋と上腕二頭筋短頭、長頭、広背筋停止部、烏口突起、小胸筋との癒着により、上方回旋に伴う大胸筋の内側への移動が制限されやすく、大胸筋が遠回りすることによる上方回旋および肩関節外転の制限が起こりやすい状態になります。大胸筋の内側への滑走性を改善して、これらの制限を取り除く必要があります。
 
  
さらに、腕神経叢は鎖骨下筋、第2,第3肋骨、小胸筋、広背筋などを接触しながら外側に向かうため、これらとどこで癒着を起こしてもおかしくない状態にあります。そして、腕神経叢の癒着は筋の癒着よりもさらに顕著な伸張性の低下を引き起こします。
 
 
このあと、肩甲上腕関節の可動性に対して、後部、腋窩部、前部、上部と滑走性の改善の治療を勧めていきます。手間のかかる作業ですが、これらを前部解決すると、高校生のようなしなやかな肩が蘇ります。

※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
カートを見る