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しなやかさを失ったアキレス腱

2018-12-14

捻挫の既往があり、テーピングなどで滑走性を失うと、アキレス腱が強く緊張した状態に陥ります。その結果、背屈制限、距骨外旋、インピンジメント、荷重位での距骨底屈、内側アーチ降下などのマルアライメントを引き起こす場合もあります。背屈制限の解消を目指す上で、下腿三頭筋・アキレス腱複合体の柔軟性回復は最重要課題の一つです。
 
 
アキレス腱の伸張性の低下には、ヒラメ筋と屈筋群、腓腹筋と皮下組織や腓骨筋群など、下腿三頭筋複合体とその周囲の組織との癒着が関与します。このような癒着による過緊張は、主に背屈位でアキレス腱を伸張した際に出現します。
 
 
一方、本来はアキレス腱が弛むはずの底屈位において、しなやかさのない棒のようなアキレス腱に遭遇することがあります。下の動画に示すような方法で、足関節底屈位において指で両側から剪断させるように力を加えたときに、硬さを感じます。このようなとき、アキレス腱自体の「変性」が疑われるかもしれませんが、実際のところしなやかさを取り戻すことは可能です。
 
 
硬さを作っている原因は「足底筋」です。足底筋は腓腹筋とヒラメ筋の間を下行し、踵骨結節の近位10cmほどのところでアキレス腱内側に出てきます。ここからアキレス腱鞘内を下行して踵骨結節に停止します。この足底筋は腱鞘、腓腹筋、ヒラメ筋の滑走性を失わせる原因となります。
 
 
治療としては、足底筋腱とアキレス腱、腓腹筋、ヒラメ筋との間の滑走性を改善させるようにリリースを行います。そうすると、子供のようなしなやかなアキレス腱が復活してきます。
 
 
これがアキレス腱断裂の予防になるかはわかりませんが、少なくともアキレス腱炎の治療において、このしなやかさを取り戻すことは不可欠です。もちろん、背屈制限に対しても重要な治療要素となります。
 
   
組織間リリースの技術としては、皮下で容易に触知される部分ではありますが、神経のリリースと同様の緻密な技術が必要となり、上級編に位置づけられるかもしれません。

※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
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