MENU

挫滅マッサージを正当化できる?

2018-11-23

「大腿部などに繰り返し挫滅マッサージを行うことにより、内出血を引き起しているセラピストに、どのように忠告すべきか?」という質問をいただきました。
 
 
挫滅マッサージの詳細はわかりませんが、送っていただいた写真をみると直径1-2cmの斑点状の皮下出血が多数認められました。長内転筋に沿っているので、長内転筋を緩めようとしたことが推測されます。内出血の状態から判断すると、母指または肘などで局所に強い力を加えているように推測されます。また過去には、MRIで筋内血腫が確認されるほどの重症例もあったようです。
 
 
セラピストは「必要だから」という曖昧な説明しか持ち合わせていないようです。必要なら何をやってもよいはずがありません。
 
 
まず効果に対する疑問
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)強く局所を圧迫することが、過緊張の筋にどのような変化をもたらして筋を弛ませられると考えているのか? 

2)挫滅させることでfasciaの癒着をリリースすることができるのか? またそのことを証明できる画像はあるのか?

3)痛みによる神経学的な防御反応は生じないのか?

4)そもそも長内転筋が過緊張に陥る原因はその筋のみにあるのか? 恥骨結合の偏位、縫工筋・大腿薄筋、大内転筋など隣接する筋との癒着の影響は把握できているのか? 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  
 
次にリスクについての疑問
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)その手技ではターゲットの筋以外の組織(神経や血管を含む)にダメージを与えることはないと断言できるのか? 閉鎖神経、伏在神経、大腿動脈・静脈、大伏在静脈などを触知して、それを潰すことを回避しているのか? 

2)潰された組織は内出血を起こすような損傷を受けているが、その結果瘢痕化、線維化、筋機能の低下、癒着の形成といったデメリットは生じないのか? 炎症による末梢性感作(神経終末の増殖)は生じないのか? 

3)痛みがもたらす血圧上昇や他のリスクを考慮しているのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第3に倫理的問題
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1)苦痛を与える治療を行うことに対して、リスクとベネフィットのバランスを説明しているのか?

2)痛みを与える治療が現時点でベストな選択肢として確立されているのか? 他の治療法を勉強した上で、ベストな選択だと言い切れるか? (無知であるだけではないのか?)

3)治療後の痛みによる機能低下(歩けなくなる患者が存在)に対して、同意を得ているのか? また法的責任を負っているのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
  
私は過去の反省から、治療において最も弱く、最も安全で、最大限慎重に組織を特定しつつ治療を進めるよう、細心の注意を払っています。痛みを与えることがありますが、短期的に、長期的に絶対にダメージを残さないことを保証できるような手法を用いるべきであると思っています。
  
  
今回の話は、単純にセラピストの知識と技術が不足し、自分が行っている方法がベストだと思いこんでいるだけではないでしょうか? MRIで筋内血腫が確認されたことを考えると、「被害届」に値するのではないかと思います。結論として、挫滅マッサージを正当化することは不可能だろうと思います。いかがでしょうか? 

※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
カートを見る