JOSKASの股関節セッションに一日中閉じこもりいろいろと議論を聞きながら、最終的なオペ適応についていろいろ考えてみました。 1)痛みの主体が関節内にのみある場合: 関節内への関節内注射で痛みの軽減が得られ、その他の部位の痛みが誘発されない状態。 2)痛みの主体が関節外にある場合: 関節内注射がほぼ無効である場合。 3)関節内・外の両方に痛みの主体がある場合: 関節内注射で僅かな変化。 さらに関節外の問題に対して15mlの局麻を用いているという話もあったが、責任部位を特定するには1ml程度でピンポイントに痛みの変化を確認するという医師もいた。 振り返り、私が股関節痛の治療を行うときは、組織間リリースで1mmずつ「リリース時痛」の有無を確認し、またリリース後の痛みの変化を確認することで、症状とその原因とを照合していきます。この手法で到達できないのは、関節内(円靭帯、関節唇、関節軟骨)と瘢痕組織に埋もれた大腿直筋反回頭。 経験的に、X線で骨頭の円形が保たれている初期OAであれば、ISRのみで解決する例が大部分で、どうしても手術が必要と思われる例は稀です。加谷先生の77例のケースシリーズでは、全員関節外の処置のみで好成績で、しかも再発なし。そうなると、「結果因子」としての関節内病変は、原因因子である関節外の癒着が解消されれば処置される必要がないということになりそうです。 質問に立った医師が、「鏡視下手術中に関節内病変を見たときに、それを放置することはできない」とコメントしたが、逆に結果因子がどれだけ改善できても股関節のキネマティクスの異常を引き起こす「原因因子」が放置されたら、それも問題ではないかと感じます。リアライン・コンセプトの原因因子と結果因子という考え方は、手術適応を考えるときにこそ必要だと感じました。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
「股関節運動に連動して骨盤が動く」と「股関節運動中にコアを安定させる」は両立するのか? 股関節の分離運動とは? 股関節の他動可動域の制限を代償した脊椎運動のことか、仙腸関節運動による同側寛骨の代償なのか、いずれにしてもストレスを押し付け合うだけで、治すことにはならないのではないのか? 同様にコアの安定性と胸郭の可動性低下をどのように区別するのか? 要するに、コアという抽象的な言葉をもう少し正確に使う必要があるように思います。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
ハイドロリリースのレクチャーを聴きながら、組織間リリースとの関係をいろいろ考えます。注入する水の量によっても違うと思いますが、末梢神経の癒着の範囲の大きさに効果が影響されるのではないかと思われます。10cmに渡って癒着がある場合、その一部でも残っていると神経の滑走性は制限されたままで症状がぶり返す例も多いように思われます。 以前何度か書いた脛骨神経障害の例では、梨状筋から下腿遠位部(外果上10cm)まで広範囲に複数箇所の癒着が認められ、それらがすべてリリースされてようやく症状が落ち着きました。この例は特殊かもしれませんが、広範囲の癒着に対して触診でそれを見極めていく手順はとても重要であると思います。 一方で、私も広範囲のリリースに慣れてしまっているので、ピンポイントの病巣を見つけることに強いこだわりを持ってはいませんでした。しかし、治療時間の短縮や治療ターゲットの特定の精度を高めるためには、エコーでピンポイントで問題の箇所を見つけるトレーニングを積む必要があると痛感しています。 そうなると、私と一緒に移動してくれるエコーが必要。JOSKASの企業展示では、100~200万円程度のポータブルなものが複数展示されており、使ってみたくなりました。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 産後などで、腰部または骨盤後面の強い痛みがあるにも関わらず、整形外科を受診してもレントゲンやMRIで異常なしと言われ、薬などの痛み止めもほぼ効果なし。 片脚に体重を乗せることもできず、ふとした時に激痛が走る。椅子に座る方が立っているよりも痛みが強く、食事も座って食べられるなくなり、半寝たきり状態。 家事も学業も出来ず、家から出ることもできなくなり家族にも負い目を感じる場合もある。そして、何よりも辛いのは、周囲の人がその痛みを理解してくれず、精神的な問題と言い始めること。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上のような症状で困っていても、なかなか診断がつかず、有効な治療に出会えずに苦しんでおられる方が多数おられます。仙腸関節障害を疑って見る必要があります。 私の研究室では、このような骨盤の歪みや緩みを効果的に解決する方法を研究しており、徐々に解決法が分かってきました。 現時点で、長崎、広島、東京で治療できる環境があります。またこのような症状に詳しい医師を紹介することもできます。上記のような症状で苦しんでおられる方は悩み続けず、一度ご連絡ください。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
リアライン・レッグプレスver3の開発が完了し、商品の製造を開始しました。2ヶ月後の8月上旬に入荷する予定です。初回の入荷は50台で、定価はまだ決まっていませんがおそらく13万円前後になる見込みです。 今回は特に患者様に自宅で毎日使っていただけるように、安価で、軽く、シンプルな構造に仕上げました。きっと多くの膝OAに悩む方のお役に立てるものと確信しています。 なお、リアライン認定資格者の方は、このレッグプレスを商品として販売できます。皆様の患者様に是非おすすめください。 7月より以下のページで予約販売を開始します。 https://realine.info/realine/all どうぞよろしくお願いいたいます。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
リベラシオンの新しいインソールができてきました。硬度の設定、革巻きテスト、アッパーの木型などが着々と完成に近づいています。 今後、リベラシオンブランドでの販売のほか、他社にインソールと木型を提供する形でのOEM、ダブルネーム靴の販売にも力を入れていきます。 立ち仕事で足が疲れやすい人など、多くの働く女性には不可欠なインソールになるはず。これを制服用の靴などに導入してくださる企業、企画会社、メーカー様とのコラボレーションを勧めていきたいと思います。 リベラシオンで、すべての女性の足元の悩みを解決します。ご興味のある方はぜひご連絡ください。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
股関節痛で整形外科を受診するとOAによる手術を勧められたり、運動制限をきつく言われたり、またリハビリ施設では不自然なあるき方を指導されるなど、いろいろな指導を受けて混乱されている様子。それでも、すべてを実施しようと真面目に取り組んでおられました。 いろいろ探ってみたところ、疼痛は以下の4つ。 1)大腰筋内側縁で恥骨筋、短内転筋と癒着 2)腸骨関節包筋の深層の癒着 3)大腿直筋反回頭と関節包との癒着 4)小殿筋前・近位部の深層の癒着 この中で主訴と完全に一致したのは1)で、それ以外は可動域が広がった結果二次的に確認された痛みでした。 大腰筋内側は骨頭内側から臼蓋の下部(尾側)にまで沈み込んでおり、その遠位部では小転子の前で恥骨筋と、小転子の後ろで短内転筋と癒着していました。股関節開排位で大腰筋内側縁が強く緊張し、それを周囲の筋からリリースしようとしたときに主訴が再現できて問題点を突き止めることができました。 問題は、これまで指導されたことをどう修正するのか? 痛みが改善した後から客観的な状態を整理すると、 ・軽度OA(Grade 1) ・屈曲内転制限(外転を許せば屈曲140°、許さなければ120°) のみとなっています。 これにより、 ・歩行:制限なし ・しゃがみ込み:制限なし ・ストレッチ:制限なし ・水中運動:制限なし ・筋力強化:制限なし ・挫滅マッサージXXXXXX としました。 OAだと思っているといろいろと制限すべき点もありますが、治療後の時点では何も制限する必要はないと判断しました。手術に向けた不安もあったようですが、現時点ではまったく考える必要がないと思います。挫滅マッサージは当然禁止としました。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
原稿タイトル「徒手的組織間リリースの治療効果」 明日脱稿できるようにもうひと頑張り。この1-2時間の粘りが明日の夜の烏龍茶(ビールではなく)を美味しくしてくれる。 アブストラクト 組織間リリース(ISR)は、組織間を連結する疎性結合組織や瘢痕組織を、末節骨先端部でこするようにしてリリースする技術である。ISRは筋、皮下組織(superficial fascia)、腱、骨膜、靱帯、関節包、神経、滑液包、脂肪体などあらゆる組織に適用される。その目的は、拘縮治療、マルアライメントの矯正、神経絞扼障害や慢性疼痛治療に及ぶ。その臨床的意義は、鏡視下での瘢痕に対するデブリードメントやハイドロリリースと比較される。ISRの利点は、ターゲットとなる組織の状態や誘発される症状を「触診」により把握できること、関節拘縮のように広範囲の組織の癒着が関与する場合にも時間が許す限り広範囲にリリースを実施できること、関節肢位に応じて変化する軟部組織の走行を正常化できることなどである。一方で、エコーと同時使用ができないこと、治療に時間を要すること、技術習得に時間を要することなどが課題である。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
股関節可動域に制限がないと思っても、また可動域の改善が認められたと思っても、実はそれは骨盤輪不安定症に伴う寛骨の代償運動が含まれている可能性はないでしょうか? 仙腸関節の問題を考える上で、骨盤の代償のない純粋な股関節の可動域を測定することが必要です。しかし、骨盤の代償のない状態を作るには、徒手的な操作のみでは不可能。そういうとき、リアライン・コアで骨盤の代償を抑制したうえで股関節の可動域を測定してみてください。代償がいかに大きいかがわかるでしょう。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。
貞松病院の貞清先生が、リアライン・コアSIの断面の写真をアップしてくださいました。 PSIS外側を圧迫するパッド(赤丸)に対して、ベルトのルートがかなり外側にはみ出しているのがおわかりいただけると思います。このはみ出し部分によって回転モーメントが生み出され、仙腸関節後部を的確に圧迫することが可能となります。 単に圧迫するだけではなく、寛骨の矢状面の回転による非対称性を改善させつつ、また足踏み等の運動によって仙骨の前額面傾斜を修正しつつ、仙腸関節を圧迫します。これにより適合性と安定性の両方を同時に達成することが可能になりました。 今後、これを用いた研究として、装着時(適合性改善時)と非装着時をMRIで比較することにより、両者の仙腸関節の密着度の相違を明らかにしていきたいと思っています。出産直後や仙腸関節障害の方と健常者とを比較することで、鮮明にその差を検出できる可能性があります。 将来的には、これをストレスMRIと名付けて、診断の一助にできないかと思っています。理想的な適合性と現状との差を視覚化することでどの程度仙腸関節が離開しているのかを確認し、ブロック注射の効果とともにマルアライメントの修正の方向性を明示できると想像されます。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。