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リアラインレポート1:膀胱・尿道・骨盤底筋の癒着に着目した新しい尿漏れ治療法

今月から月に1、2回のペースでリアラインレポートをブログに掲載することにしました。 皆さまが日々の中で活用できる情報を中心にアップしていく予定です。 是非、ご一読いただき今後にお役立ていただければと思います。 【膀胱・尿道・骨盤底筋の癒着に着目した新しい尿漏れ治療法】  蒲田和芳, PhD, PT  株式会社GLAB 代表取締役 当社では、皆様の悩みや不安を解決するための新しい運動器具「ペリネライザー」を開発しております。今まで開発してきたデバイスは、アスリートの方から日常的にスポーツをしていない方にも使用できる商品でした。 ここ数年、私自身は骨盤を中心とし「産前・産後ケア」という領域の治療も数多く行ってきており、多くの関連するセミナーやイベントなどで講演をさせていただいております。 今回、産前・産後の多数の女性が抱える悩みの中から「尿失禁」に注目し、骨盤底筋群の活性化を促す運動器具を開発しました。まだ公には販売しておらず、研究段階な部分もございますが、癒着に着目した尿漏れ治療の基本的な考え方、そして効果的に骨盤底筋トレーニングを行うために用いる運動器具「ペリネライザー」を紹介させていただこうと思います。 ■ 尿失禁のメカニズム(仮説) 尿失禁は、多くの場合、加齢や出産により骨盤底筋や尿道周囲の支持機構の機能低下や尿道そのものの機能の破綻により起こる、と書かれています。これに対して、治療の方法として「骨盤底筋のトレーニング」が推奨されており、調べるとたくさんの論文が出てきます。しかし、骨盤底筋の機能低下に対して、トレーニングを行うだけでは尿漏れが解消されない例が多く、尿漏れ解消を目指す上で不十分であることは明白です。 私は尿失禁を癒着の観点からみて以下のように考えています。 1) 膀胱の問題: 膀胱とその周囲の癒着による過剰な排尿反射 2) 尿道の問題: 尿道周囲の癒着と尿道括約筋の機能不全 3) 骨盤底筋の問題: 骨盤底筋の癒着と機能不全 以下、少し詳しく説明しましょう。 1)膀胱の問題 妊娠中には子宮の拡張に伴い、膀胱は子宮と腹横筋・恥骨などに挟まれて圧迫された状態になります。これにより、膀胱が腹横筋、子宮及び膣外壁、外腸骨静脈などと癒着すると考えられます。膀胱周囲の精密触診を行うと、上記のような癒着があると、膀胱周囲の癒着の部分に指を触れると尿意を誘発することができます。つまり、膀胱の平滑筋を伸張するような刺激を加えて、意図的に尿意を発生させることができるのです。 さらに、以下のようなメカニズムが関係していると推測されます。  妊娠中に生じた膀胱と子宮の癒着の結果、出産後の子宮の収縮にともなって膀胱を後下方に引き込み、膀胱を後屈させ、膀胱の容積を縮小する。重度の場合は膀胱瘤となる。この膀胱の位置変化は尿道を曲げてたわませる可能性があり、尿道括約筋の機能にも影響を与える。  膀胱と腹横筋の癒着があると、咳などの速い腹横筋の収縮によって膀胱が揺らされ、癒着した膀胱平滑筋を刺激して、排尿反射を誘発する可能性がある。これにより、咳やくしゃみ、ジャンプなどで腹横筋が速い収縮を起こすときに「腹圧性尿失禁」が起こりやすくなる。  膀胱と外腸骨静脈の癒着は、座位から立位になったときなど股関節伸展において膀胱を下方に引き下げ、膀胱容積を縮小し、尿道をたわませる可能性がある。これにより、トイレに向かって歩いているときに急激な尿意が発生する「切迫性尿失禁」を引き起こしやすくなる。  切迫性尿失禁の方において、膀胱と子宮との間の癒着部分を触診すると尿意が発生します。そのポイントに速い動きが伝達されると排尿反射が誘発されると考えられる。 2)尿道の問題  膀胱と子宮との間をリリースすると、尿道と膣の間の癒着にも触れることができます。そして、癒着があると、尿道を圧迫した状態で随意筋である外尿道括約筋を収縮させるように指示しても、強い収縮が起こりません。尿道と周囲組織との癒着により、外尿道括約筋の機能低下が生じるのだと考えられます。特に恥骨や子宮・膣壁、側面では脂肪組織や閉鎖神経と癒着している例に遭遇することがあります。これにより尿道括約筋は正常に尿道を締めることができなくなってしまいます。 3)骨盤底筋の問題 骨盤底筋には、第1層の最深部にある会陰膜と第2層の恥骨尾骨筋との間の癒着、また腸骨尾骨筋と股関節外旋筋である内閉鎖筋との癒着が生じます。経腟分娩では、会陰切開やテント障害を含む骨盤底筋の損傷により、上記の癒着が重症化している例もあります。さらに、骨盤底筋の支配神経である陰部神経とその枝である下直腸神経、会陰神経、陰核背神経は骨盤底筋への持続的な圧迫によって骨盤底筋と癒着を起こしやすく、これが筋の可動性を著しく制限を起こしていることもあります。すなわち、骨盤底筋の癒着によって、骨盤底筋自体が身動きの取れない状況にあり、トレーニング効果が得られにくい状況になっているのです。 ■ 治療の流れ 上記のメカニズムを考慮して治療の流れとしては以下のように進めます。 1) 癒着の治療 上で述べたように、膀胱周囲、尿道周囲、骨盤底筋にはそれぞれ自然回復の可能性の小さい癒着が存在しています。これらをリリースすることにより、異常な感覚入力や収縮機能の改善を得ることができ、それぞれにおける本来の機能を再獲得させていきます。  膀胱と周囲の癒着を解消し、排尿反射を誘発する膀胱壁への緊張伝達を解消させる。  尿道括約筋の収縮を阻害する要因の解消により、排尿中の随意的な「排尿のストップ」ができるようにする。  骨盤底筋の随意的・不随意的な機能の改善 2) スタビライズ 骨盤底筋(恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)や尿道膣括約筋の機能改善を目的として、トレーニングを行います。コツを掴みにくい場合は、骨盤底筋に対しては強制呼気、外尿道括約筋に対しては指でのフィードバックを加える方法もしくは「排尿ストップ」トレーニングを繰り返す、などの方法を用います。 3) コーディネート くしゃみ、咳、ジャンプなどの振動に対抗するため、タイミングを合わせて骨盤底筋群や外尿道括約筋に力を入れる練習を行います。特に、外尿道括約筋の活動のタイミングを最適化することは、尿漏れを防ぐための決め手になります。なお、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁ともに上記の様に治療を進めることで機能の改善が見込めます。 ■ ペリネライザーとは?  私が新しく開発した「ペリネライザー」というデバイスは、骨盤底筋の一部を圧迫しつつ、骨盤底筋のトレーニングを行うための器具です(図1)。上記で述べた通り、骨盤底筋の中で癒着が生じやすい場所は、腸骨尾骨筋とその下方にある会陰膜、その外側にある内閉鎖筋との間です。この部分で癒着が生じると、腸骨尾骨筋が下外側に引き寄せられた状態になります。この状態で骨盤底筋のトレーニングを行っても筋が滑らない為、短縮することが出来ません。 「ペリネライザー」の2つの突起部分を使用して癒着を剥がします。突起が肛門のやや前に位置するように座ります(図2)。具体的には、腸骨尾骨筋を上方へ圧迫し、内閉鎖筋や会陰膜から引きはがします。また繰り返し、股関節内外旋(内閉鎖筋の収縮と弛緩)、骨盤底筋の随意収縮(腸骨尾骨筋)を行う事により、会陰膜・腸骨尾骨筋・内閉鎖筋の3つの組織間に滑走が生まれ、徐々に癒着を剥がしつつ、それぞれの独立した「滑走性」を得ることが出来ます。   ■ 今後の展望  ペリネライザーは尿もれのメカニズムをすべて解決できるわけではありません。しかし、骨盤底筋の癒着という重要な要素を解決することができます。これだけで尿漏れが完治する人が多いこともわかってきました。 今後、この「ペリネライザー」を使用してまずは尿失禁データを収集し、研究を行いたいと考えています。先にも述べた通り、現状では公に販売しておりません。 この記事を読んで、興味を持たれた方がみえましたら、是非ご連絡下さい。 ■ 産前・産後に特化したセミナー情報  産前・産後の治療に特化したセミナーも開催しております。 ・<産前・産後>リアライン(RPC) ・<産前・産後>組織間リリース(P-ISR) ●RPC RPCでは主に産前・産後に起こる問題に関する概論や治療に関する知識を中心に講習をしています。治療技術の前に、まずは知識を取り入れたい方にオススメです。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 第3回 胸郭(腹部・肋骨・腕神経叢):6月27日(土)9:30~ Zoomを使用したオンラインにて開催します -------------------------------------------------------------------------------------------  ●P-ISR P-ISRは組織間リリースの技術を用いて治療を中心に講習をしています。 知識よりも実技を極めたい方にオススメです。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 第5回 胸郭2 :7月18日(土)9:30~ Zoomを使用したオンラインにて開催します -------------------------------------------------------------------------------------------  お申込みは  こちら セミナーに関してのお問い合わせは  seminar@realine.info 宛までご連絡下さい。

セミナー情報 骨盤 産前産後 組織間リリース 精密触診

組織間リリース(ISR)初級編 産前・産後ケア(大阪会場)の参加者の感想をまとめました

組織間リリース(ISR)初級編 産前・産後ケアの3日コースを大阪で開催しました。 初級編では,ISR初心者のために,正確にターゲットを触知する精密触診の基礎技術を含めて,じっくりと指を作り上げていきます。 第1回  理論  指の使い方(テープ剥がし)   筋の輪郭の触診と滑走限界   母指でのリリース   支指でのリリース  皮下神経のリリース   副神経、肩甲背神経、上殿皮神、中殿皮神経、長胸神経 第2回  皮下組織(superficial fascia)のリリース  腹部・胸郭  尾骨周囲 第3回  骨盤リアライン 最終回には,仙腸関節痛の治療のために必要な股関節拘縮を解消させることを目的としたISRを行いました。助手の先生および受講者のみなさんが参加した感想などを投稿してくださっていますので,ご興味のある方はぜひご参照ください。    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ■ Tiare 冨田 えりか先生(宮津市)    ブログ1    フェイスブック記事1    ブログ2 ■ コーラリズム 近藤可那先生(稲沢市)    フェイスブック記事    ブログ ■ 河北悠加先生(鈴鹿市)    フェイスブック記事      ブログ ■ ボディケアサロンハレル 大里恵理先生(熊本市)    フェイスブック記事1    フェイスブック記事2    ウェブサイト ■ Body Make Lab.Re's 今江葵先生(大津市)     フェイスブック記事 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・       2020年度は,産前・産後ケアシリーズを拡充して,以下のようなラインナップを予定しております。お誘い合わせ,ぜひご参加ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   <関節疾患> ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 産前・産後リアライン       8日コース   ※「産前・産後リアライン」は、出産前後におけるアライメント変化とその結果生じる関節疾患(関節周囲の不調)に対する治療法をまとめたものです。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <産前・産後>組織間リリース ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 産前・産後組織間リリース:初級編  3日コース 産前・産後組織間リリース:胸郭   3日コース 産前・産後組織間リリース:骨盤   3日コース     ※「胸郭」では腹直筋離開、腹筋群機能不全、胸郭可動性改善、胸郭体型回復、円背治療、胃の不調への対策、腕神経叢、乳腺炎などを含みます。 ※「骨盤」では、膀胱・尿道周囲、子宮周囲、直腸周囲、骨盤底筋などを含みます。 ご登録:  https://realine.info/schedule/2020 セミナー紹介資料:  https://www.dropbox.com/s/or72usqxp6ehlog/GLABseminar2020.pdf?dl=0

組織間リリース 産前産後 骨盤 膝関節

医療、医学、予防医学の進化に貢献できるような研究の進め方を考えてみました

学会に出席し、いろいろな研究発表を聞いていると、医学と医療について考えさせられます。     発表の中には、 ・臨床成績の向上を直接示すもの(医学、医療への貢献) ・医学には貢献するが臨床成績にはすぐには反映されないもの(医学への貢献) ・そしてどちらとも言えないようなもの に分けられます。医学と医療の両方に貢献する研究の多くは、優れた臨床家が新しい治療法を考案する場合と、世界のどこかで提唱された新しい(しかし未検証な)治療法の将来性を敏感に感じ取り、臨床に応用した場合などがあります。このような研究をされている方の発表には、「治したい」という強い意志と「これなら治せそう」という臨床的なセンスを強く感じます。      科学は、大前提(真実)、小前提(先行研究の結果)、結論という三段論法で事実を積み上げて導かれる仮説に対して、実験や観察によって実際に仮説どおりのことが起こることを証明する「検証」によって進んでいきます。原則として演繹法的な思考に基づく「実証主義」という手順になります。しかし、臨床に役立つ優れたアイデアは、科学的な思考だけではなく、そこに「臨床的な思いつき」という突然変異によって生まれていると感じずにはいられません。真面目に、こつこつと文献レビューを積み上げるだけでは、突然変異を生み出すことはできないのです。   私も一応論文を読んだり書いたりする科学者の端くれですが、思考の奥底には、演繹法だけではすぐに臨床的に効果が得られるような成果にはならないと考えているようです。突然変異を思いついたら、それをリスクのない範囲で実行し、効果がありそうなら検証する、というような手順を踏んでいます。突然変異はちょっとした臨床効果との出会いから生まれることが多いように思います。      具体例を紹介します。 数ヶ月前に、授乳中の女性で上肢のしびれ(ビリビリという異常感覚)を訴える方に対して、腕神経叢の治療を行いました。腕神経叢とその周囲の組織との癒着を解消してしびれが解消されました。それとともに、「母乳がやたらよく出るようになった」という報告をもらいました。私の頭の中では「?????」という状態でした。次に、さらに数ヶ月して、「乳腺炎の痛みが出産よりも痛い」という悩みを持つ方と出会いました。そのときに、もしかしたらと思って腕神経叢の治療を行ったところ、2回の授乳を経てその夜には全く痛みがない状態にまで症状が改善しました。不勉強で乳腺炎の病態やメカニズムは全くわかりませんが、「血流やリンパ液の還流が完全することで、乳腺管の絞扼が解消される」という仮説が生まれました。これが突然変異になります。その後、2-3人で同じことを行うと、同様の結果が得られました。どうも再現性がありそうです。偶然得られた治療結果から、これは世の中の役に立つ研究テーマになりそうだ、という位置にまで発展してきました。       こういう突然変異を検証する場合、論文のイントロダクションを書くときにとても苦労します。演繹法的な小前提の積み上げができないためです。「突然変異」だと言ってしまうと、論理が流れていないという理由で簡単にrejectを喰らいます。なぜ腕神経叢の治療が乳腺炎を改善すると思ったのか、を先行研究に基づいて説明することが難しいのです。論理性はイマイチでも、大量の症例数で実証すればよいのですが、そのような研究を進めるようなヒト・モノ・カネを準備することができないのが現実です。そもそも膝OA、ACL損傷予防、仙腸関節障害の病態解明と治療法、組織間リリースの可動性への効果、組織間リリースの痛みへの効果などのように、研究テーマが多すぎるのも問題です。今回の学会参加は、これからの研究の進め方を見直す良い機会になりました。  

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CSPT広島<体幹編> 中国地方で精密触診、骨盤・胸郭リアライン、腰痛・骨盤痛治療を学ぶ

全身の関節疾患治療を学べる人気セミナー、クリニカルスポーツ理学療法(CSPT)の広島開催が決定いたしました。 今回は、リアライン・コンセプトの総論(治療の設計図)とその実現のための精密触診・組織間リリースの技術を習得するイントロダクションを学んだ上で、骨盤・胸郭の機能低下の改善、そして最終的に腰痛・骨盤痛の治療法を習得できる4日間となっております。 ◆クリニカルスポーツ理学療法(CSPT):広島会場 ◇日時・内容 ■第1回 9月1日(日): イントロダクション  リアライン・コンセプト治療の設計図、精密触診・組織間リリースの基礎 ■第2回 11月3日(日): 骨盤  骨盤マルアライメントの病態、評価、運動療法(リアライン・コア含む)、組織間リリース ■第3回 1月26日(日): 胸郭  胸郭マルアライメントの病態、評価、運動療法(リアライン・コア含む)、組織間リリース ■第4回 3月15日(日): 腰痛・骨盤痛  腰痛・骨盤痛の病態評価、原因因子から治療プランの組み立て、運動療法、結果因子への組織間リリース     ◇講習時間 9:30-16:30   ◇場所 朝日医療専門学校広島校 701教室 JR山陽本線「西広島駅」より徒歩5分 広島電鉄「広電西広島駅」より徒歩3分 お申込みは こちらから CSPT東京会場のお申込みも好評受付中! 詳細は こちら みなさまのご参加をお待ちしております。

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産後の仙腸関節痛治療

 「妊娠・出産後だから」という理由で、現在の不調の治療を諦めていませんか? 「産後は一生続く!」この一言がすべてを物語るように、妊娠・出産が女性の体に及ぼす変化やダメージは放置すれば一生続きます。特に「癒着」によって起こった筋機能低下、神経障害、 過活動膀胱、胃の圧迫症状、子宮周囲の痛み(生理痛を含む)、さらには腕神経叢の絞扼障害の一つとしての乳腺炎(母乳のリンパ・静脈への潅流障害)などは、対症療法や運動療法では解決できず、「産後は一生続く!」という状態に陥ってしまいます。しかし、癒着に対する治療を適切に行うことで、ほとんどの不調は解決できます。今回は、その中でも「仙腸関節痛」について記載したいと思います。 ■ 産後の仙腸関節痛の病態  出産後の仙腸関節痛は、妊娠後期から出産にかけて骨盤が弛むことによって起こると考えられています。しかし、不安定性だけに起因するわけではなく、不安定性を伴わない骨盤のマルアライメントによって痛みが引き起こされている例もあります。むしろ、本当に重度の不安定性によって痛みが続く例は非常に珍しく、まずはマルアライメントの治療を進め、どうしても症状の改善が得られないときに不安定性によって起こっている痛みであることがわかります。さらに、マルアライメントや不安定性の治療を行っても、症状が変化しない場合もあります。  以上をまとめると、産後の仙腸関節痛をメカニズムから分類すると以下のようになります。 A. 骨盤輪のマルアライメントに起因する症状 B. 仙腸関節の不安定性に起因する症状  C. 上記のいずれの治療によっても改善しない症状 これらについて順次説明しましょう。 A. 骨盤輪のマルアライメントに起因する症状 (1)病態  妊娠中であれ産後であれ、骨盤マルアライメントとして図1のようなパターンがあります。一つの面上のみでのマルアライメントもありますが、その多くは複数の面での歪みが組み合わさっています。  産後の骨盤マルアライメントの中で、最も多いのは前額面の「下方回旋」です。これは、主に中殿筋や小殿筋の癒着によって大転子・腸骨稜間距離が短縮することによって生じます。もしくは骨盤底筋のうち、横方向に向く浅会陰横筋の過緊張によって坐骨結節が接近していることに起因する場合もあります。いずれの場合も、立位では坐骨結節が接近し、腸骨稜が外側に引かれるため寛骨は下方回旋します。寛骨下方回旋によって、仙腸関節上部に離開ストレスが生じています。これらに周産期の仙腸関節不安定性が加わると、仙腸関節上部の開大が更に増大してしまい、仙腸関節痛が重症化することがあります。  中殿筋や小殿筋の癒着は、産前産後の側臥位での睡眠が大きな原因であると考えられます。通常、上殿神経周囲に強い癒着があるので、神経と中殿筋間をリリースするだけで、かなり緊張を弛めることができます。しかし、それでは不十分で、小殿筋と関節包との間の癒着をリリースする場合もあります。  骨盤底筋の癒着は、座位での生活での慢性的な圧迫や出産時の骨盤底筋の損傷(会陰切開)後の瘢痕などの影響が考えられます。実際には出産経験のない方でも、骨のように固くなっていることがあります。その過緊張には、会陰神経や背陰核神経などと浅会陰横筋などとの癒着が関与していることが多く、これらの神経と筋を丁寧にリリースしないと緊張は解消されません。 (2)治療  上記を理解した上で、治療を進めます。まず、運動療法のみでアライメントを変化させることはまず不可能なので、 リアライン・コアSI を用いて理想的な骨盤アライメントの保持します。そして、その状態を保つために必要な筋活動を誘発するエクササイズを行い、理想のアライメントを保持する筋活動パターンを学習させていきます。  リアライン・コアSIによるある程度の即時効果とアライメントの改善は得られますが、その効果の持続性はマルアライメントを引き起こすような組織の過緊張(特に癒着による)がどの程度かによって決まります。つまり、癒着が重度であるほどリアライン・コアSIの効果の持続性は短くなります。そのようなとき、癒着に対する組織間リリースが不可欠となります。まず、寛骨下方回旋を促す大腿筋膜張筋、中殿筋、小殿筋、関節包へとリリースを進めていきます。ときには中殿筋と小殿筋の間に外側広筋を支配する大腿神経の枝が挟み込まれることもあります。小殿筋遠位で大転子との間の癒着が股関節内転制限を頑固なものにしていることがしばしば経験されます。  運動療法ではこれらの癒着を剥がすことはできません。また、骨盤安定化筋を鍛えても24時間骨盤を引き続ける癒着による過緊張筋に勝る効果を得ることは不可能です。このため、必然的に治療の最初の段階は組織間リリースによる癒着の治療ということになります。最初に癒着の治療を行い、その後筋活動により安定化を図ります。特に大殿筋によるforce closure、腹横筋下部の持続収縮による寛骨上方回旋位保持が重要となります。  ちなみに、寛骨下方回旋を直すと腸骨稜が内側に接近し、ウエストが細くなります。よって、妊娠前の体型を取り戻すことは骨盤の安定性を取り戻すことと同じ意味を持ち、将来に向けて仙腸関節障害を予防するためにも産後早期に取り組むべき重要なポイントであると捉えられます。 B. 仙腸関節の不安定性に起因する症状 (1)病態  私が経験した中で、仙腸関節の不安定性が強くて手に負えない症例は経験したことがありません。マルアライメントの原因因子である癒着をすべて取り除き、force closureに必要な筋群のトレーニングをしっかりと行うと症状は確実に改善してきます。 (2)治療  不安定性が著明な場合には、リリースによるリアライン(骨盤の理想的なアライメントを獲得すること)が即時的に得られたとしても、数時間から数日の間にマルアライメントが再発することがあります。このような場合は、理想のアライメントに骨盤を固定した状態で、その周囲の筋活動を反復し、理想のアライメントを筋に覚え込ませるようなスタビライゼーションが必要になります。これはマリガンコンセプトにも通じる考え方ですが、筋による理想のアライメントの「学習」が重要となります。  理想の骨盤アライメントを保つためには、何と行っても リアライン・コアSI が役に立ちます。10分間程度のエクササイズを1日数回行い、マルアライメントの状態ではなく、理想のアライメントの状態を骨盤周囲の筋に学習させていきます。これを2-3週間続けると、1日数回が1日1回、週に2-3回へと、リアライン・コアの使用頻度を下げていくことも可能になりまる。つまり良好なアライメントを保持できる時間を伸ばしていくことが可能です。 不安定性の程度によっては、リアライン・コアから完全に離脱するには数ヶ月かかるかもしれません。しかし、この手順で骨盤輪不安定性を克服できることを知っておくと、いざというときに必ず役に立ちます。 C. 上記のいずれの治療によっても改善しない症状  マルアライメントの治療後に良好なアライメントが得られても症状が変わらない場合、またリアライン・コアSIによって骨盤の理想的なアライメントに保持しても症状が変わらない場合が稀にあります。このような場合は、骨盤アライメントとは無関係な疼痛のメカニズムを探索する必要があります。代表的なものとして、上殿皮神経や上殿神経、下殿神経といった仙腸関節周囲の神経の癒着によって起こっている疼痛が挙げられます。これらのほとんどは、 「精密触診」 の技術を用いて疼痛発生源を特定し、その部分の癒着をリリースすることで解決されます。 ■ 「産前・産後ケア無料セミナー」(札幌)開催要項 ======================================= 1.テーマ: リアライン・コンセプトに基づく産前・産後ケア:              産前・産後の不快感を解決するシンプルな治療法! 2.日時: 2019年6月15日 13:30―16:30 3.会場: 札幌産業振興センター3階セミナールーム1 4.定員: 90名 5.対象: 産婦人科医師、理学療法士、柔道整復師、鍼灸・マッサージ師       その他、産前・産後ケアに関わる医療関係者 産前・産後(1年以内)のセラピストの受講を歓迎します 6.講師: 蒲田和芳(広島国際大学) 7.主催: 株式会社GLAB 8.参加費: 無料 9. 受講登録は こちらから 10.参考(対象となる症状) <頭頚部> 偏頭痛・眼精疲労、項部痛・肩こり <腹部・胸郭> 胸郭可動性低下、胸郭挙上位、腹直筋離開(軽度)、腹筋群過緊張、 腹横筋癒着(胃、膀胱、子宮との癒着を含む)、乳腺症 <骨盤内臓> 膀胱下垂、膀胱・子宮癒着、生理痛、便秘 <骨盤底筋> 骨盤底筋機能不全、尿もれ、膣弛緩症 <腰背部痛> 肩甲背神経痛、多裂筋・棘突起癒着、急性腰痛後の多裂筋・腸腰靭帯癒着 <骨盤帯痛> 恥骨部痛、仙腸関節痛、上殿神経痛 <下肢> 下肢浮腫、下肢神経症状 ======================================= ■ その他の「産前・産後ケアに役立つセミナー」一覧  当専門部会では、産前・産後ケアに必要な技術と知識を習得していただくために様々な勉強会やセミナーを開催しています。以下のブログに詳細を記載しておりますので、ぜひご一覧ください。 リアライン・ブログ「産前・産後ケアに興味のある方にお勧めのセミナー一覧」

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上田桃子プロ X リアライン・コア

今日のゴルフ中継で、 上田桃子プロ がパッティング練習でオレンジ色の2本のベルトを備えた器具を使っていました。これは株式会社GLABが販売している「リアライン・コア」という器具です。正確な情報をお伝えするために、リアライン・コアについて説明したいと思います。     ■リアライン・コアとは   リアライン・コア は、骨盤と胸郭(肋骨)を左右対称な状態に近づけるように圧迫する器具です。医療器具ではありません。しかし、骨盤と胸郭を左右対称な状態に近づけることは、背骨の動きを改善したり、股関節や肋骨の動きを改善したりできるため、腰に不安のある人などにも愛用されています。  リアライン・コアの兄弟分で、 リアライン・コア・リハブ (インターリハ株式会社)という商品があります。これらはほとんど同じ構造ですが、リハブの方は医療機器としての認可を得ており、腰痛治療器具として整形外科などで用いられています。     ■リアライン・コアとゴルフ  2013年にリアライン・コアが発売されて間もなく、ゴルファーのトレーニング指導をされている団体やトレーナーの方に目をつけていただき、ゴルファーの腰のコンディショニングに使用されるようになりました。上田桃子プロも、ゴルフ専門のトレーナーの方からの紹介で使い始めたそうです。  上田プロ以外では、片山晋呉プロ、金田久美子プロが愛用されていることでも有名です。お二人とも、腰痛から復活優勝されたときに新聞に取り上げられ、ゴルフ界に話題になりました。もう引退されましたが、茂木宏美プロも愛用者の1人で、出産後の復帰の際にも出産で弛んだ骨盤を整える上で役立てていただきました。ツアープロではありませんが、マーク金井さんも愛用者の1人です。  6月に開催されるアース・モンダミンカップでは、例年リアラインブースが出展されており、非常に多くの女子プロゴルファーにお試しいただいています。その効果もあって、腰に不安を持つ女子プロはいち早く導入される方が増えてきました。      ■リアライン・コアと他のアスリート  リアライン・コアを愛用したプロ野球選手として真っ先に思い出すのは 杉内俊哉 (ジャイアンツ)、内海投手(ジャイアンツ→西武)、川崎宗則選手、吉田正尚選手、 吉田正尚 、それ以外にも数十人の個人ユーザーがいます。  他のスポーツでは、角田信朗師範(格闘家、ボディービルダー)、井岡一翔選手(プロボクサー )、飯塚翔太(400mリレー、リオ五輪)、右代啓祐(十種競技、リオ五輪旗手)、本橋 麻里(カーリング)など。   ■リアライン・コアSIとは?  SIとは仙腸関節という意味です。これは骨盤の後ろ側にある関節で、これが不安定になると腰痛が起こったり、足で踏ん張ることができなくなってアスリートとしては致命的です。 リアライン・コアSI は、既存のリアライン・コアを改良し、より骨盤にフィットし、骨盤の安定性を高めることを目的に開発されました。骨盤に不安のある人にとっては、SIは最高のパートナーとなっています。     ■開発者  リアライン・コアを開発したのは、リアライン・コンセプトというトレーニングや治療の設計図を提唱している 蒲田和芳 教授(広島国際大学)です。アトランタオリンピックやシドニーオリンピックでは選手団本部医務班の理学療法士として帯同するなど、アスリートのリハビリを専門としています。リアライン・コア以外にも、インソール、ソックス、レッグプレス、バランスシューズなど、体の歪みを治すための運動器具や補装具を開発し、株式会社GLABを通じて販売しています。現在は、アスリートだけでなく、妊娠中や産後の女性の骨盤痛の治療、体の癒着を剥がす新しい治療法である「組織間リリース」の開発者としても知られています。      ■アマチュアゴルファーの方へ  リアライン・コアは、個人でもご購入いただけるように、腰の状態を改善する器具としてはたいへんお安い値段で入手することができます。品薄状態が続いているため、ご予約されることをお勧めします。ご予約、お問い合わせはshop@realine.infoにメールをお願い致します。      

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長後仙腸靭帯痛と尾骨周囲・骨盤底筋拘縮

長後仙腸靱帯は仙骨の後傾に対する制動作用を有しています。このため尾骨が前方に引き込まれると緊張を増します。別の言い方をすると、長後仙腸靱帯は骨盤底筋の単独収縮に対して拮抗する作用を有しています。      先日のセミナー受講者でこの靱帯の痛みを主訴とするセラピストと遭遇しました。尾骨が前方に引き込まれており、靱帯は強く緊張していました。仙骨上部を前方に押し込むと、その緊張は低下し、痛みも軽減したことから、仙骨の過後傾が問題であると推測されました。     大殿筋と仙結節靭帯や尾骨筋との癒着が確認され、さらには内閉鎖筋と腸骨尾骨筋の癒着がありました。これらをリリースすると、尾骨は後方に移動し、長後仙腸靱帯の痛みは消失しました。       内閉鎖筋と腸骨尾骨筋の癒着は、骨盤底筋の機能低下や骨盤底の様々な問題の改善をもたらします。今回は、この癒着が仙腸関節痛の一因であることを推測させる症状の変化が得られました。     あぐらや長座、体育座りなど、骨盤後傾位での坐位は尾骨を前方に押し込むため、その周囲の癒着を作る原因になると思われます。また尻もちなどの外傷の影響もあり得ると思われます。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。

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産後の尾骨周囲の痛み

数年前のドバイでの国際腰痛・骨盤痛学会のワークショップで、尾骨変形の治療について1日かけて学びました。その際は、自験例が少なかったので理解度は不十分だったのですが、産後の尾骨周囲の痛みを経験するに連れてよく理解できるようになりました。 尾骨骨折と思われているもの(尾椎の変形)の大部分は尾椎関節の変形であり、骨折というよりも靭帯損傷を伴うものが多い。このためある程度の矯正も可能とのことです。私は尾骨の変形の矯正は行いませんが、それ以外の治療でも症状改善は可能です。 次に、変形はわずかでも痛みが継続する例も意外に多いことが分かってきました。産後の痛みは「仕方がない」と諦めざるを得ないと思っている女性が多いこともありますが、正確な病態分類がなされていないことも事実です。      僅かな自験例ですが、尾骨周囲の痛みを治療結果から分類すると以下のようになります。      1)仙骨傾斜による尾骨一側への荷重  左仙結節靭帯と大殿筋が癒着すると、仙骨は前額面で右傾斜(尾骨は左へ偏位)し、水平面で右回旋します。その結果、椅子座位では尾骨の右側に荷重が集中します。この接触部位が痛い場合、そして接触により尾椎に曲げ応力が加わって尾椎の靱帯へのストレスによる痛みが生じる場合があります。治療としては、仙骨アライメントを修正して、荷重位地を正中線上に戻すことが必要となります。       2)大殿筋と尾骨の癒着  尾骨に外傷が起こると、その治癒過程で大殿筋と尾骨の癒着が起こることがあります。大殿筋のリリースにより痛みが軽減するので、因果関係の特定は容易となります。       3)尾椎神経の癒着  これも2)と同様に外傷後などに尾椎から出る神経がその周囲の筋や骨と癒着して起こる痛みです。この神経が刺激されるメカニズムとしては、1)のような直接の荷重、そして荷重による尾椎への曲げ応力などがあります。治療としては、神経のリリースが有効です。     4)尾骨だと思っていたが実はその側方の痛みである場合  尾骨の側方には肛門挙筋・尾骨筋と内閉鎖筋が接し、また内閉鎖筋と仙結節靭帯、またそのそばには陰部神経があります。これらは、坐位での圧迫や外傷後に癒着を生じ、慢性的な痛みが生じることがあります。やはり、筋間や神経のリリースが有効です。     5)仙腸関節からの放散痛など  上記のようなメカニズムであれば圧痛点が明確に触知されますが、尾骨付近に圧痛がまったく見つからない場合は放散痛を疑います。痛みが会陰部にも広がる場合は会陰神経の癒着が考えられます。     私が経験した範囲では以上のような分類ができます。これら以外にもいろいろな病態はあると思いますが、上記の病態分類だけでも多くの症例をカバーできると思われます。もちろん、事前の画像検査は不可欠ですが、画像所見がない場合は、丁寧に触診すると上記のような分類ができるはずです。       ISR周産期ケアにおいて、尾骨周囲の疼痛治療も含めるか迷っていますが、初級編としてはやや難易度が高いかもしれません。 現在、発売準備中の座椅子「リアライン・チェア」はこのような尾骨への負担を減らすように設計されています。尾骨に荷重せずに座ることで、普段の痛みは大幅に改善できる可能性があります。6月4日まで ReadyFor でクラウドファンディングを行っていますので、是非ともご協力ください。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。

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周産期ケアで修正すべき骨盤アライメントと重視する筋機能とは

周産期ケアに取り組むにあたり、必然的に骨盤のマルアライメントを効果的に修正する必要に迫られます。その際に、どのようなマルアライメントパターンが起こりうるのかを把握した上で、体表からのアライメント評価を行う必要があります。   <寛骨> 前額面:寛骨下方回旋、仙腸関節上部の離開 水平面:寛骨内旋、仙腸関節後部の離開 矢状面:寛骨前後傾、仙腸関節への剪断ストレス <仙骨> ・仙骨傾斜、尾骨変位、仙腸関節離開 ・仙骨後傾、尾骨前方変位、仙腸関節counter nutation       以上に対して、筋活動がどの程度有効なのか、またどの筋の活動が有効なのかを具体的に考えていく必要があります。     1)腹横筋  寛骨内旋に対してはマルアライメントを増強させ、寛骨下方回旋に対しては仙腸関節を安定させるという矛盾した機能を持ちます。したがって、寛骨内旋位の骨盤に対して腹横筋の単独収縮はむしろ痛みを増悪させる危険性があります。      2)骨盤底筋  尾骨を前方に引き出す機能を持つため、仙骨後傾に対しては悪影響を持ちます。実際のところ、椅子坐位での生活が長い現代人において、尾骨周囲の癒着による仙骨後傾位はめずらしくありません。これに対して骨盤底筋の単独収縮はむしろ仙骨後傾を増悪させ、荷重位でもclose-packed positionとならない仙骨を作っていく危険性があります。      3)大殿筋・胸腰筋膜・多裂筋  これらは言うまでもなく仙腸関節の安定化筋であり、両者の組み合わせにより仙腸関節離開を改善方向に誘導します。     以上のように、筋群ごとに骨盤アライメントに対する役割が異なることを踏まえ、マルアライメントの評価に基づいた筋の選択が必要となります。         このようなマルアライメントパターンは周産期に特有のものではありません。妊娠後期であっても、アスリートと同様のアライメントパターンがあり、その治療を的確に行うことで寝返りやブリッジでの仙腸関節痛が解消されます。妊娠後期の急性腰痛であっても、治療方針は全く同じ。まず、骨盤のリアラインを行い、その上で最低限の筋活動で良アライメントを持続してもらいます。         骨盤リアラインについては、CSPT(クリニカルスポーツ理学療法セミナー)の骨盤編で1日かけて講習しており、また徒手的なマルアライメント解消のための技術についてはISR中級編で3日間かけて講習しています。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。

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産後6日目の周産期ケア

無事生まれました!   そして6日目、予定日よりも早く、小さく生まれたおかげか、産前の骨盤ケアの効果もあってか、この時点で症状は軽微でした。       骨盤痛はごく軽度。骨盤後面の開き具合を示すPSIS間距離は産前とほぼ同程度で、極端な不安定性の増強は認められません。前屈からの起き上がり動作中や椅子坐位からの歩きはじめに少し痛みが生じる程度。上背部に少し痛みがありますが、生活には大きな影響はありません。下部腹横筋のコントロール想定通り不良。長女(10kg)の抱っこは困難。       産前に股関節周囲の癒着を徹底的にリリースしておいたので、歩隔を狭くして歩くことができます。歩行中の股関節伸展は少し不足気味ですが、可動域としては制限なし。     以上より、産後6日のケアのテーマを以下のように設定しました。 ① 骨盤を固定した状態での股関節の独立した運動の獲得(荷重伝達障害の解消) ② 仙腸関節の良肢位における腹横筋コントロール ③ 胸郭前面の上下方向への伸張性獲得(肋間の拡大)と姿勢改善 ④ 上背部の疼痛の解消(肩甲背神経リリース)         そのうち、①と②についてはリアライン・コアSIにまかせておけば大丈夫。わずかに右股関節内転の僅かな制限も徐々に解消され、下部腹横筋のコントロールもすぐに意識化され、コツを習得しました。動画を見てわかるように、足音を立てながらの足踏みは「荷重伝達障害」をまったく感じさせません。     ③はリアライン・コアのみで今回は手作業なし、④については手作業で解決しました。 ※こちらの記事は、株式会社GLAB代表の蒲田和芳のFacebookより転載しております。

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